僕と兄貴と彼の話。

3/26

429人が本棚に入れています
本棚に追加
/227ページ
「いよいよですね!オープン。」 「雅臣……」 雅臣が隣に来て俺に微笑む。 毎日食べに行きます!って言われて嬉しかった。ってさすがに毎日は無理だろ!って突っ込んだけど。 本当にこの男と知り合えて良かった。 すごく穏やかな気持ちになれる。 ばあちゃん、ありがとう。 本当にお世話になりました! 「優希、そろそろ帰ろうか。」 すっかり竹之内兄弟と仲良しになった優希と善人と帰る。 『…なぁ、和希兄ちゃんに言った?』 『……まだ。てか、今日じゃないだろ!』 俺の後ろで優希と善人が話している。 なんだ? 「別にいつでもいいぞ。なんだ?」 あ。聞こえてた?って優希か言いづらそうにしている。 ばあちゃんの死は悲しいけれど、くよくよしていたら怒られそうだ。 「あー。んーその…大学なんだけど…い、家を出て通っていいかな。」 えっ…そうか。 確かに大学は家から通えないこともないけど少し遠い。 ちょっと田舎の方にある体育系の大学だ。 優希の成績なら問題なく入れそうだし。 「か、和希兄ちゃん!!! お、俺とのルームシェアに賛成して下さい!!」 ガバッと善人が頭を下げる。 優希は驚いてるけど、嬉しそうな顔するし。 「バカ。俺は反対しないぞ? 善人とちゃんとルールを決めて生活すること。授業はサボらないこと。 これが条件かな。」 この二人なら上手くいくのは分かっている。 善人は優希を大事にしてくれているし。 優希も善人を大切に思っているしな。 「あ、ありがとう! 絶対に受かるから!!でも和希が一人で寂しくない?」 「え、なら雅臣氏と暮らせばいーじゃん!」 はぁ!?ま、雅臣と!? いや、それは… 「確かに。 僕の部屋は空くし。アッキーさんもイギリス行っちゃうみたいだし。」 そうだ。アッキーさんはばあちゃんがいないから日本にいる必要がない。 むしろ、イギリスで絵を描いていたいらしいし。 …雅臣次第だ。
/227ページ

最初のコメントを投稿しよう!

429人が本棚に入れています
本棚に追加