僕と兄貴と彼の話。

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食堂きよに着いたのは7時前。 和希の横には手伝いの雅臣氏がいる。めちゃくちゃ楽しそうにしてるけどさ、和希目当てだろう人には態度が違う。 それを見るのも面白い。 って雅臣氏も見たくれは良いから人気出そうだけど。本人は和希にしか目がいってないから気付かないだろうな。 「大学はどうだった?善人」 「ん?うん。まぁ、プールの設備とかはすごかったね。ちゃんと推薦で決めなきゃね!」 善人は和希と楽しそうに話ながらも唐揚げを頬張る。 「ねぇ、和希にお願いは?」 知りたくてつい話を振ってしまった。 善人はうーん…と唸りながらも和希を気にするよりも雅臣氏を気にしてる。 「お願い?なんだよ、善人」 善人は唐揚げを飲み込んで 「頼みます!俺にここで短期でバイトさせてくれない?」 は?バイト? 「…お前、水泳で忙しくないか?」 「店の手伝いをしながら料理を習いたいんだよ。」 驚いた。善人が料理?? 「べ、別にいいけど…」 「本当!?良かったー!優希とルームシェアするのだってさ、俺はぶっちゃけ掃除とか家事をそんなにしてこなかったからさ。食事くらいは作れるようになりたいし。」 和希はふぅーんと嬉しそうにしてる。 善人は俺が思っている以上にルームシェアの事を考えてくれてるのが分かった。 「…えぇー!僕も手伝います!!」 って雅臣氏が和希に言ったけど 「お前は仕事あるだろ。」 突っ込まれて終了。 「んじゃ、バイト代とかどれくらい出せるか考えておくわ。」 「別にお金ってよりは料理メインで…」 善人!バカか!バイト代くらいは貰えよ! 「バカ。バイト代くらい出すよ。 ってそんなには働けないだろ?無理しないでな。」 「和希兄ちゃん!ありがとう!!!」 善人が和希と握手したら雅臣氏がメリメリって剥がしてた。 相当な焼きもちやきだなー。
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