僕と兄貴と彼の話。

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*** 「えっ!僕が衣装決めていいんですか?」 俺は久々にきよになるために化粧を始めた。 雅臣はすごく楽しそうに服を選んでいる。 といってもそんなにないんだけど。 「やっぱり、露出は避けたいところですね。うーん。」 悩むほど買わなかったのに雅臣はアレコレ言いながら上下を合わせている。 俺は細身だけどさすがに肩幅は女性よりもあるからなるべく目立たない服を買った。 雅臣の真剣さに吹き出しそうになる。 「…和希さん?あ、僕の事バカだと思ってます?」 笑いを堪えてるのがバレた。 「思ってないよ。きよになるのは三時間くらいなんだ。そんなに悩むなよ」 さすがに朝まではしんどいので夜中の2時頃で終わる事にした。 明日は日曜で休みだけど。 雅臣だって疲れてしまうし。 「はい!決まりました!この清楚な感じのにしましょう!」 雅臣の選んだのはサマーニットにスカート。意外とシンプルなのが好みなのか。 「サンキューな。」 「ふふ…かがんだら肩がチラッと… 鎖骨がチラッと僕にだけ見えるはずです。」 ……独り言がでかいな。天然め。
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