僕と兄貴と彼の話。

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「3分…」 3分経ったけど…もう少し… 「和希さん。もう少しこのままで…」 雅臣を見つめるとそこには優しい顔の恋人がいる。 俺の気持ちを察してくれたんだろうな。 「…何が食べたい?」 「んー。和希さんとならなんでも。」 出来すぎた答えに笑ってしまう。 結局、あと少しあと少しと言って二人でベッドに寝転んでいた。 遅いランチは結局、優希がテイクアウトしてくれたジャンクフードにかぶりついた。 「うまっ!!」 「美味しいですね!久々のハンバーガー!」 優希はなんだ??って顔していたけど。 本当だ。 雅臣と食べるならなんでも良い。 俺は雅臣がいたら幸せだ。 雅臣、スナックきよに来てくれてありがとな。 俺を好きになってくれてありがとう。 これからもたくさんの好きとありがとうを伝えていきたい。 「和希さん。ケチャップついてますよ」 雅臣の指でケチャップが拭われた。 「あ、りがと。」 「いいえ。可愛いです。」 優希は甘い!!って叫んだけど、雅臣はもっと甘くしたいですって宣言していた。 俺はこれから先もこの天然な恋人に心を捕らわれ続けるんだろう。 「一緒に暮らしたら甘くて甘くて和希が溶けちゃうね」 「それはなんだか楽しみです。 舐めたら甘い和希さん……」 はぁ。先が思いやられる。 二人の会話を聞きながらポテトを口に含む。 雅臣がここへ引っ越すのは少し先の話だ。 それはそれで別の機会に伝えよう。 「和希さん、大好きです!」 優希のいない間にいきなり言われて驚く。 どのタイミングなんだ。 それでも… 「お、れも。俺も雅臣、好き。大好き。」 雅臣とふたり見つめあって笑った。 『だから甘いってば!』 リビングに戻ってきた優希の言葉には全く気付かなかった。 優希がニヤニヤしてリビングに戻ったのを見て俺達の会話が聞かれた事に気付いたけど知らないふりをした。 「あ、優希君。聞こえちゃいました? ふふっ。和希さん、僕の事大好きなんだって!」 あー天然め! 「ははっ!和希、大変だね!」 弟に言われるとはな。 でも優希の嬉しそうな顔に安心する。 「だろ。」 「でも幸せそうだよ、二人とも。」 「でしょっ!!やったー!」 兄弟でこれからもこの男に振り回されるのかもしれない。 それでもそんな未来もたまらなく愛しいよ、雅臣。 完。
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