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さてと。もう夕方の空はだんだん紫色になり夜を迎える事を知らせてくれる。
「…参りましたね。」
和希さんはいつもより早く起きたのかソファてウトウトしている。
いや、もう意識はなさそう。
あ、そういえばbarの仕事はお休みなのかな?
僕が泊まるときに使わせてもらっている毛布の場所は知っている。
「あ、あった。」
毛布をかけれは気持ち良さそうに体勢を変えて寝息を立てる和希さん。
この唇にキスをした。
「………ダメですよね。さすがに。」
普通ならこっそりってアリだと思うけど、決めたんだ。
開発を止めるまでは。
ちゃんとケリをつける。
僕は持ってきていたパソコンを開いて検索する。
腕の良い人を見つけないと。
その時にタイミング良くおばあちゃんから電話がきた。
「ばっ!おばあちゃんっ!今日!失踪したでしょ!」
『失踪?したした!
それはね、お前の家に書類を送ったんだよ。』
書類??
「それって…もしかして…」
『土地の権利書。この病院がバレてね。手元に置くのは危ないから。』
会長の部下が調べたんだろう。
まずい…僕が祖母をこっそりかくまっている事がばれるかもしれない。
地区開発に祖母の土地が含まれてるのを知った。
僕は土地を守るために会長をだましてきたけど…
本当に時間がない。
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