裏切りの真実。

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「おぉ。来たか。雅臣…」 え。知り合い? マサは肩で息をしている。 「和希さん!! お前…その人を傷つけたら許さない。」 マサの怒りの声にも男は動じない。 どうやらボスはあの60代の男。 「雅臣。 お前がなかなか見つけられないからわざわざ来たんだぞ。」 え… 「そうですよ、坊っちゃん。 しかもこの男は女装してママしてたんすよ。 頭イカれてますよ。」 壁紙を剥がしてる男が笑いながらマサに伝えた。 「え?」 マサの驚いて俺を見る目を見れない。 女装してまでスナックで働くって可笑しいよな。 それにここに来たのは権利書がほしいから。 料理は後付け。 俺と優希に近づいたのも探るためか。 落胆して膝から崩れてしまった。 「和希さん!」 その時包丁が腕にあたった。 もう切れてもどうでも良い。 営業は出来ない。 「和希さん!」 「触るな!!」 近づくマサが止まる。 「坊っちゃん。ほら!この部屋! 変態部屋ですよ、もしかして男でも連れ込んでんじゃねぇか?あははは!」 もうどうでもいい。 「そうだよ。 それくらいさせろよ。」 「かず…「雅臣。帰るぞ。もう済んだ。あ、ママさん、ばあさんに権利書の場所を聞いておいて下さい。」 男達は店をめちゃくちゃにして出ていった。 マサは男がいなくなるとそばに寄って俺の腕にハンカチを巻こうとした。
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