裏切りの真実。

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「とにかく、俺が相続すればばあちゃんは安心するんって事ですよね?」 「はい…。しかし、危険も伴います。 昨日、ここでひどいことされましたよね。」 ご覧の通りだ。 食器もコップも粉々。 「ありましたね。」 あったんだ。混乱して記憶から所々消えてると思う。 無意識に右腕を擦ってしまった。 「お怪我…されました??」 「あ、いや。ちょっと。」 須泉弁護士はすかさず 「では、診断書をもらって下さい。」 「いや、大事にする気は…怪我は俺が動いたから…」 俺の言葉にも須泉弁護士は折れない。 「雅臣社長のためにも。」 マサのためになるのか? あの親父、竹之内会長が反社会的勢力との関係ってダメだろ。 「…須泉弁護士、マサは何がしたいんですか?俺は全くわかりません。」 「あの人は、ただただこの店と貴方と貴方の家族を守りたいと仰っていました。」 なんで…俺にそこまで… 「先週の土曜…一昨日の夜に依頼を受けたのですが、大切な人を守りたいという気持ちが伝わる内容でした。」 マサ… “嘘に見える。お前のすべてが…” 俺はなんてひどいことを言ってしまったのか。 「マサ…」 「山城さん。想われていますね…」 はっ?! 須泉弁護士は爽やかすぎる笑みを俺に向ける。 想われている…。 マサ。お前は大丈夫なのか?
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