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このスナックになんの意味があるのか。
騒がしくなるってなんだ。
「和希さん。もしもの時のため、私に連絡先を教えてください。
私の事、信頼して頂けるのなら。」
須泉弁護士を信頼しても良い。
マサが雇った弁護士なら…。
俺は紙に個人情報を書いて渡した。
須泉弁護士はすぐに手帳にしまう。
っていうか、鍵付きの手帳って。
その手帳…恐ろしいなって思っていると
「弁護士はたくさんの秘密を知っていますからね。ちなみにこの手帳は僕のパートナーからのプレゼントです。」
パートナー?!奥さんがいるんじゃ…
結婚ってまさか……男と?
「…マサはなぜ俺をそんなに守るんだろう。」
あいつはノーマルだ。
ゲイじゃない。
「惚れた……ってだけじゃダメですか?」
「はいっ?!あ、いや、そのあいつはノーマルですし。」
須泉弁護士はククッと笑って
「私の高校からの宇宙人のような友達がいるんですが、彼もノーマルでしたよ。
むしろ女好きだったかな。
それが一目惚れしたのは男で…」
「い、今、その人は…」
「もう12年くらい経つかな。相変わらず天使にゾッコンな宇宙人です。
社長も貴方の話をした時は同じタイプだと思いました。」
はぁ?マサが俺に…たったの2週間だ。
そんなお互いの事、知らないと思う。
「…初めて会ったのは1ヶ月も経ってません…」
「和希さん。むしろ羨ましいですよ。
短期間で相思相愛。」
そっ!相思相愛?!
顔が急に熱くなる。
「須泉弁護士、よ、用件は済みましたか?!」
自分で振っておいて話を切り上げるってちょっと子供すぎるな、俺。
「あっ、はい。
では、遺言は了承してもらえたと伝えます。
それからあと1つ。大事です。
社長への連絡は控えてください。」
え……。ダメなのか。
俺の顔を見てククッと笑う須泉弁護士。
「社長はどうやら監視下に置かれているようです。貴方への危害を一番嫌がられています。」
監視下?!
あの会長ならなんでもアリだな。
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