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「では、何かあれば必ず連絡して下さい。無くても不安になったらすぐに。」
そう言って須泉弁護士は帰っていった。
マサのおかげで強い味方が出来たと安堵した。
話したらお腹すいたな。
片付けは優希がいないと自信がない。
帰って昼飯にしよう。
そしたらばあちゃんの所へ行って店の事を謝りたい。
こんなになってしまった。
大事な場所なのに。
部屋に戻り、テレビをつけながら昼飯をつくる。
右腕の違和感は多少あるけど平気だ。
“――確かにあの辺りは都心からもすぐですし、竹之内グループはやはり目の付け所が鋭いですね。”
“しかし、地域の方はどうなんでしょうか。”
ん?竹之内って言ったか?
作った簡単和風パスタを持ってテレビを聞いた。
地域開発…あ?
地元の駅前でレポートしている記者が映っている。
「開発地域はこの駅の向こう側一帯というはなしらしいのですが…
発表によるとまだ地域の了承を得ていないらしいのですが、話は着々と進んでいるようです。」
着々と進んでいる?!
そうか、ここは開発地区でばあちゃんの土地も含まれているのか。
テレビではフリップボードには大型の施設の完成図を説明している。
ある意味すごい。
全く地域に知らされていないのにテレビで発表するなんて強気だ。
建設会社も大手だし、あの会長の権力の強さに圧倒される。
マサはこの計画を止めたいんだ。
ばあちゃんの土地を守りたいんだ。
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