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「ばあちゃん!」
「和希…」
たくさんの枕に背を預けているばあちゃんがいた。
「ばあちゃん、ごめん!店が…」
言葉に詰まる。大事な店があんなことに。
なのに俺は放置して雅臣との時間を優先したんだ。
「和希、私のが謝らないといけないんだよ。すまない、私のバカ息子が…」
雅臣からきいてるんだ。
「いや、俺がちゃんと守れなくて…」
「和希、遺言の件ありがとう。
私はあの場所が好きだ、人が好き。息子だとしても譲れなくて。」
もう90歳近いからか、半年前よりも小さく見えた。
「和希、これ…」
渡された通帳。
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