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店だ。あの店をなんとかしないと。
ばあちゃんの通帳には結構な額が入っていた。
確かに売り上げの良い月は多く渡していた。贅沢もしなかったし。
いや、店があるだけで贅沢だけど。
片付けはしないと…
もう和希のまま店に向かう。
もうきよの衣装も破られたし、片付けにはこの格好が楽だ。
昼なら誰も来ないし。
てらさん達は昨日、新しい店を開拓しただろう。飲み屋はきよだけじゃない。
裏通りを横切る。
「かっ!!!かずっ!かずちゃん!!」
んあっ?!
かずちゃん?!
名前を呼んだ人の姿に驚く。
……て。
「てらさん…」
子供の頃、かずちゃんって近所の人に呼ばれていた。
遠い記憶。
走ってくるてらさん。
な、何?!
「すまん!!!!」
てらさんの謝罪される理由はない。
「あ、いや。あの…てらさ…」
まずい、和希のままで…
「きよちゃんがかずちゃんなの…
初めから知ってた!すまん!」
は、はぁっ?!
衝撃の告白だ!!!!
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