6月1日

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というのも、彼女の体はとにかく細い。 骨に皮膚がくっついているんじゃないかと思うほどに細い。 おまけに体つきがどうも中学生には見えなかった。 平たい胸と小さすぎるお尻、制服のスカートが落ちないのが不思議なくらいの細い腰。 それを隠すように長い長い髪が垂れていた。 光が当たると、紺にも緑にも見える不思議な色。 墨汁みたいだなと思ったのをよく覚えている。 体に不釣り合いなくらい長くて綺麗なその髪だけ、異様に大人びて見えた。 はっきり言って、病的。 病的なまでに細くて幼くて美しい。
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