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中3最初の定期試験が終わって少し経った頃。
家を出たときから空気はしっとりとした匂いをしていて、学校に着くころには雨が降り出していたような気がする。
いつもと同じように一番乗りに来て、勉強をするともなくただぼんやりとしていた。
何かについて考えるわけでもなく、といって考えないわけでもなく、ただぼんやりと。
これが、中学の間わたしが毎日続けていたことで、このおかげでそれなりに自分のバランスを取れていたように思う。
この日もわたしは、その危ういバランスが崩されることも知らずにぼんやりを謳歌していた。
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