スニーカーの神様。物語

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昭和が終わり 今まさに平成の世が終わろうとしている。 何も変わらねぇ 町も人も酒も食い物も、優しさも 初めから何も持っちゃねぇんだ、変わる筈もねぇ 変わったのは老いさらばえたこの体だけ。 毎日ゴミ漁って糧としても、誰1人として仲間もいねぇんだ 恥じる事もねぇ 誰の目も感じねぇ 辛くもねぇ 嬉しくもねぇ 何も感じねぇ 今日も俺はこの上野の公園で、ゴミ箱から漁った弁当を食べていた。 便所の隣で、食べ終えたらその場で寝る。 死んだらカラスの餌になる。 そう思ったら笑えた。 「ねえ、おじいさん」 「ねえ、おじいさん」
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