第4章

8/17
前へ
/83ページ
次へ
ぽかり、と晴明が瞼を開く。豪胆でなる保憲が間近に見る異形の瞳に微かに息を呑んだ。 はっと晴明が袖で目を覆う。 「隠さずとも良い」 忠行の手が伸びて、晴明の手をそっと下ろした。 「そなたの母のことは知っておる……晴明」 忠行がその手を包み込むように握る。 「美しくて、心の強いお方だった。お前は母上によく似ておるよ」 無事で良かったと笑いかけられて、金の瞳が揺らめいた。 「……っ」
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加