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「一人でバーに来る女性に偏見はないですか？私、なかなか一人で入れなくて」
そんな言い方をされると、まるで彼女は貞淑で、私が男目当てでバーに行く尻軽女みたいだ。
「東条主任がいるじゃないですか」
思わず突っ込むと、堀内さんは私ではなく皆川さんを見つめて答えた。
「彼、仕事でいつも忙しいから、一人で挑戦してみようかなって」
ところが、ここでフォローするはずの東条主任は苦笑いしてビールを飲んでいるだけだ。
おまけに、主任は私に同意を求めてきた。
「僕たちの仕事はオンオフの区切りがないから仕方ないよね？江藤さん」
「あ、は、はあ」
なんだろう、この変な空気は。
“僕たち”と言う表現が何となく引っ掛かり、皆川さんの彼女の立場でどう答えていいものか咄嗟に判断がつかず、口ごもった。
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