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「いいんじゃないでしょうか」
堀内さんと東条主任を黙って眺めていた皆川さんが口を開いた。
「確かに、偏見の元になるような胸焼けする女はたまに居ますけどね。でも純粋に酒を楽しむために来ている女性はちゃんと分かりますから大丈夫ですよ」
もしかして、これは彼の得意技、嫌味攻撃ではなかろうか?
ダメージを受けていないかと堀内嬢の表情をこっそり観察していると、いきなり彼の腕が私の膝に伸びてきて、私の手を撫でた。
「彼女の場合は酒好きでも男好きでもなく、間違って迷いこんで来た感じだったので放置できなかったんですけどね」
またも彼が不意討ちでぶっこんできた甘い恋人の仕草に対応できず、私は完全に硬直してしまった。
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