運命の恋はひとつだけ

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乾杯が終わり、それぞれに軽く料理をつまむと、あちらこちらで立ち話が始まった。 「セミナーよりも異業種交流を目当てにしてる会社もあるからね。少し食べたら僕たちも行くよ」 そう言っている間にも、通販大手の担当者などが東条主任に話しかけてきた。 この催しは人脈を広げるためのお膳立てらしい。 ゆっくり食べる暇もなく、それから主任に連れられて様々な社の企画担当者と名刺交換をして回った。 皆川さんが言った通り、繊維アパレル、食品から化学と、電機業界に関係が無さそうな企業まで東条主任の顔は広かった。 主任がいなければ、きっと私は手持ち無沙汰に食べてばかりいただろう。 情報収集だけでなく、コラボレーションなどの商機を生むこともあるので、こういう繋がりはとても大切らしい。 一時間ほど歓談して一息つく頃には、私はかなり気疲れしてクタクタになっていた。
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