運命の恋はひとつだけ

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主任と二人でセミナーを聴講するのは久しぶりだ。 受付を通ってからずっと目の端で皆川さんを探したけれど、セミナーが終わってもまだ彼の姿はなかった。 皆川さんがこのセミナーの主催側であることは東条主任も知っている。 でも、主任は私が時おり周囲を見回している理由に気づいているはずなのに突っ込んでこないし、皆川さんの話題に一切触れない。 主任らしくないなと思いつつも、立食パーティーの会場となる隣のバンケットルームへの移動が始まったので、私はまた忙しく皆川さんを探し始めた。
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