運命の恋はひとつだけ

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「空きっ腹で飲むと酔うし」 「禁酒じゃないの?」 「今日は条件つきでオッケーだって。ちゃんぽんにせず単一で量ほどほど」 数時間後に彼に会えることを思い、彼の指示を復唱してから勢いよく食べ始めた私に、茉由子が気になることを言った。 「そういえばさ、例の堀内さん、今週ずっと受付にいないんだけど」 「え、そうなの?最近、正面玄関を通ってないから気がつかなかった」 「基本、毎日いたじゃん?何か怪しくない?」 茉由子の言うように彼女が二股常習犯なら、東条主任と別れたからといって会社を休むほど打撃を受けたりしないはずだ。 「……風邪とか?インフル流行ってるし」 「あー、それアリかも。邪推しすぎた」 私が唱えたインフル説で茉由子は納得したようだったけれど、私は何となくそうではない予感がしていた。
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