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頭を押さえつけていた力が緩み、唇を放した彼が私に問いかけた。
「後悔するのでは?」
上半身の肌を晒したまま、彼を見つめた。
彼より高い位置にある私の髪がカーテンのように二人の顔を閉じ込める。
黙って首を横に振ると、その小さな空間も揺れた。
好きな男に抱かれて後悔する女がいるだろうか?
「しません」
声に出して畳み掛けた途端、身体を返され膝裏を掬い上げらた。
抱き上げられるのだと悟った身体が自然に反応して、私の腕が彼の首に巻き付いた。
彼の首からははっきりと脈動が感じられる。
彼は荒々しく息を吐き、立ち上がると同時に呟いた。
「後悔しても、もう僕は止めませんよ」
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