彼の“例外”

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性別も学歴も関係なくすべてに於いて対等に扱われるということは、皆川さんに指摘された甘えや逃げが通用しなくなるということ。 寂しさと苦しさを反動にして、私はまるで岩盤に立ち向かうブルドーザーのように仕事に取り組んでいた。 いつか彼に再会することがあるなら、企画の道で成長した姿を見せたかった。 年末に会議を通過した大型テレビに関する企画は、すでに生産に向けての準備が進んでいる。 次の企画テーマへの取り組みも始まっていて、私は大型テレビからスマートフォンへと頭を切り替えつつ、一からまた勉強を始めていた。 毎晩、私はいつも彼の駅を通過する度に電車の窓から心の中で色々な報告をしていた。
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