2 浮上……、できません

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おまけに、週末の解放感と休み明けの撃沈の痛手に、 少しばかり飲み過ぎてしまった。 お陰で、翌日目が覚めてみると、もう10時を回っている。 しかも、うっかり冷房を付けたまま寝てしまったせいか 二日酔いはないが、いささか体がダルい。 「うぅぅ……」 ベッドの中で中途半端に体を伸ばし、 脱力すると同時に、薄暗い中で天井を見つめる。 そしてふと、きちんと独立した大人になろうと思って始めた一人暮らしが、 早くも怠惰な生活になっていく様が頭を掠めた。 「ダメ、ダメ、ダメ!」 かぶりを振って独り言を呟き、飛び起きるようにしてベッドから下り、 冷房を消して窓を全開にする。 途端、昼近い熱気が纏わりつくように、一気に私を包んだ。 「あつぅ!」 来週には8月に突入するのだし、すでに太陽は空高く昇っているのだ。 暑いのは、当たり前。 だが、この熱気も、狭い部屋に籠りきった冷たい空気より気持ちいい。
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