スニーカーの髪様

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俺は今、兄貴分の言った通り何とかホームレスの様な風体を作り出し 公園のベンチに座っている。 通り過ぎる人間は、俺を嘲る様にチラ見したり あからさまに避けたり 不快な表情ばかりだ。 当たり前だ。 俺だって そうするさ。 騙されたんじゃね?俺。 いろんな詐欺紛いをやって小銭を稼いできたけれど、今回の話はあまりにも単純で あまりにもウマすぎる。 兄貴のヤツ、俺がこうして金に釣られてホームレスの格好してんのを 後で大笑いする気なんだ! もう、嫌だ。アホらしい。 さすがにキレて立ち上がろうとした時だった。 「あの…神様ですか?」 男子高校生が、俺に声を掛けてきた。 腰が抜けるかと思った。
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