スニーカーの髪様

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マジか?! 兄貴の言っていたことは、マジだったのか?! 動揺を何とか抑えつつ、俺は〝うん〟と頷いた。 すると男子高校生は、弾ける様な笑顔になって叫んだ。 「お願いします!神様のスニーカー、俺にくださいっ!」 「…」 兄貴が言った通りだ。 「俺、どうしても次の陸上会で記録出したいんです!」 「記録?」 「はいっ!これまで必死で練習しても抜けなかった奴の、記録を抜きたいんですっ」 「あ、そう、ね」 キラキラした瞳を俺に向ける。 「〝スニーカーの神様〟のスニーカーを履けば、疲れ知らずでめちゃくちゃ速く走れるって聞きました!どうしても欲しいんです!お願いします!」 「ま、まぁ」 「あ、水虫のことも知ってます!速くなるなら水虫にも耐えます!」 「水虫?」 「はい!だから、スニーカーくださいっ!」
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