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「えっ!?……………………えっ…………………。」
その言葉を聞いた少年は驚き、弾かれるように俯いていた顔をあげ、男を見て更に驚き、驚きのあまり言葉を失った。
「オマエ、オレガ近付イテモ逃ゲナカッタ、嫌ナ顔スラシナイ。ダカラオマエノ願イヲ叶エテヤル。」
男がそう言うのも解る。
何故なら男は足元こそ白くて綺麗なスニーカーを履いているが、ボサボサで長い髪と髭、服はボロボロで黄ばみや汚れが目立ち、気を失いそうな程の臭気を放ち、まるで『浮浪者』のような姿をしていたのだ。
─── 幸か不幸か、少年は膝を抱え俯いていたため、男の足元しか見ておらず、泣いていたので鼻が詰まっており臭いに気付かなかったのだ。
「オマエノ願イヲイエ!」
戸惑う少年に男がズイッと詰め寄る。
「……本当に神様なの?」
詰め寄られ、男との距離が縮まり辺りが臭気に包まれ、少年は鼻が詰まっているが若干顔をひきつらせながら疑問を投げ掛ける。
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