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「……“ミュラマーラ様、目をお覚まし下さい。目を覚まし、彼女らの問いにお答え下さい。”」
ライの優しい声に応えるようにゆっくりと目を開くミュラマーラ。
手を握られたまま当たりを見渡し、当時と変わらぬ内装に自身の部屋である事を確認する。
そしてライとは反対のサイドにやってきたヒューマの少女と、見覚えのあるガジュマ、ミルを目の前にし、口を開いた。
「ミル……無事だったのですね……。」
「はいっ。ミュラマーラ様も生きていらして、ミルは嬉しいミル。」
「ミュラマーラ様。無理に起こしてしまい申し訳ありません。『ケーニヒシルト』のアーリャ・フリューゲルダークと申します。この度は、ミュラマーラ様に1つ、お聞きしたい事があって参りました。」
「ふふ……そう固くならなくても良いのですよ。何なりと。」
意外にもふんわりと微笑んだミュラマーラは、どこかライにも似た雰囲気で、アーリャは安心した笑みを浮かべてからすぐに真剣な表情に戻る。
「ありがとうございます。ミュラマーラ様、酷な事をお聞きしますが……反乱の時、王子様は一体どちらへ……?」
「……。アロイスは……異世界に飛ばしたと……ベルホルトが……。」
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