1,王家の血を引く者

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「ありがとうございます!ミル様!」 明るい笑顔の似合う青髪のヒューマの少女、アーリャは嬉々としていた。 「ミルは、ただの代理ミル。そんなミルが兵達にお主の言っていた“7人の神子”の事を説明して信じて貰えるかは分からないミルよ。」 と、独特な喋り方は、小柄で垂れた耳が特徴的な犬型のガジュマのミル。 立場とは裏腹に臆病さが見えてはいるが、責任感が強くよく考えてくれる人の良い方である。 「……私も、実際に見えてるんです。恐らくこれが、負の思念ってやつですよ。」 「えっ……?てことは、7人の内の1人って事ミルか?」 「そういう事になりますね?」 「……世の中狭いミルな」 なぜか、若干ガッカリした姿を見せたミルであったが、その話のおかげで、もしかしたら他の神子達も案外すんなり見つけられるかもしれないと心を入れ替え、意を決して“7人の神子”を探し出す作業にうつる事が出来た。 案の定、1年足らずで“7人の神子”の特徴を捉えた人物が7人揃った。 しかし、問題は次にあった。 アーリャの話によれば…… “多くの負の思念を浄化するには、聖獣から加護を授かる必要があり、聖獣に会うためには王家の血を引く者が居なければならない。”
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