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“多くの負の思念を浄化するには、聖獣から加護を授かる必要があり、聖獣に会うためには王家の血を引く者が居なければならない。”
そもそも、王家の血を引く者は10年以上前に居なくなっているのだ。
ここで希望が途絶えたと思っていたミルであったが、アーリャはまだ諦めてはいなかった。
「……ねぇ、王子様は?」
「全然見つかってないミル。10年も行方不明ミルよ。」
ここ1年弱で2人は仲良くなったのか、馴れ馴れしく言葉を発するアーリャ。
これが彼女の本来の姿なのだろう。
「城の書庫勝手に見させて貰っちゃったんだけど……これ見て?」
「……?」
アーリャが書庫から持ち出したのは、あの異世界について書かれていた文献だ。
そこには、こう記されていた。
“王家の血を引く者、そして、加護を授かった神子のみが世界を行き来出来る。”
「……??」
「転移する場所まで書かれてるでしょ?もしかしたら、そこに行ったら王子様に出会えるかもしれない!」
「でも、国王様達が襲われたのは城内ミルよ。城から1番近い所でもあのへーレミル。当時4歳の幼い王子様が1人で入れるような所じゃないし、何よりやっぱり城内で反乱が起きてるミルからね……。」
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