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『へーレ』……首都ハオプタットから程近くにある洞窟。魔物の住処となっており、出口は無いと言われているらしい。大昔には、王位継承者でない王族(次男等の2番目以降の子)はこの洞窟の奥で監禁されていたと言う記録もある。
「確かに、へーレは戦えない人にとっては危険だけど……。」
アーリャはそう言うと、腕を組み難しげに考え出す。
ふと頭に過ぎった事は1つ。自身の知識には無いため、確証の持てない推理が浮かんだ。
「……国王様は、瞬間移動させる能力があったんだよ。」
「えっ?国王様には能力は無かったはずミル。歴代でも珍しいミルよ。」
うんうんと自分で言って頷いているミルであったが、アーリャはそれでもわずかな可能性を求めた。
「それだったら王子様が見つからないのは変じゃない?王妃様が目を覚ましたら詳しい事が分かるかもしれないけど……。」
「あら、何やらお困りのようですね?」
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