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『嘘』の能力……目を瞑って『こうなれ』と言葉で“命令”した事が実現する能力。
使い方を知っている他の能力を使う事も可能になるとか…。目を瞑っている間しか能力を使う事はできない。
「『嘘』の能力は、そんな事も出来るミルか?」
「えぇ。ただ、動けない人を無理矢理に動かす訳ですから、少々体力の消耗が激しくなり、長続きはしないでしょうけれど。」
今頼れるのは彼女しか居ないであろう状況で、他の方法を考える時間も惜しい。
まずは王妃に当時の状況を聞き出すため、2人はライに託した。
王妃の寝室。
そこにミル、ライ、アーリャの順に入室した。
綺麗に掃除された広い部屋に、大きなベッド。そこに眠る色白の長くて透き通るような銀髪のヒューマの女性こそ、このアインヴェルトの王妃ミュラマーラである。
「……ミュラマーラ王妃様。噂には聞いていましたが、本当にお美しいお方ですね。」
「歴代王妃様の中でも、アインヴェルトの宝石とも言われるお方ミルからね。」
「正にそうです。……では、始めますよ。」
ライは王妃の右手を両手で優しく握り、目を瞑った。
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