スニーカーの神様物語(第二章)

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昭和が終わり 今まさに平成の世が終わろうとしている。 何も変わらねぇ 町も人も酒も食い物も、優しさも 初めから何も持っちゃねぇんだ、変わる筈もねぇ 変わったのは老いさらばえたこの体だけ。 毎日ゴミ漁って糧としても、誰1人として仲間もいねぇんだ…… そうやって ちょっと前の俺は思っていたはずだったんだがなぁ。 今は違ぇ 変わる筈もねぇと思っていた俺は、1人の女に声を掛けられたあの日から変わっちまったんだ。 今は仲間もいる 福ちゃんとかいう、いけ好かねぇ奴や、似たような境遇の同僚 何故か片言で喋る奴もいる。 このスニーカーを必要としている奴らがいる限り、俺は走り続けるんだ 俺を救ってくれたあの女の為に。
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