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「あ、僕が理華に届けてくるよ」
「そう、分かった。よろしくね!」
理華のことを思い浮かべる。
あの頃から僕は何も変わっていないし、このまま同じでいたいと思っていた……。
「大きくなったら、結婚するの!」なんて、おままごとみたいなセリフも嬉しかった。
昔の思い出ばかりが頭を占領する。
僕は上着も羽織らず、バックを持って、外へ出た。
ピューッと冷たい風が顔を叩いて、思わず、「寒っ」と肩を震わせた。
時間なんて残酷だ。
一人だけどんどんと置いていかれたような気分にすらなる。
彼女を大切に想う気持ちは、これからもずっと変わらないだろう。
でも、彼女は僕のことなどお構いなしで、これから先、僕がいなくても平気なのかもしれない……。
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