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C
2月3日
ボールペンを組み立てる単純作業を延々と続ける。気が狂いそうだ。
大学卒業後、都内の病院で医療事務をしていたが業績が悪化して切られてしまった。
彼岸花で働けたのはそういう経緯があったからだ。
まるで受刑者みたいな作業だ。
シンナーで歯が溶けたオッサンが話しかけてきた。「オンナほしいだろ?オンナやろうか?」
栗原ってゆートラブルメーカーだ。
『彼岸花』の下部組織である『びゅーてふる』って共同作業所から来たらしい。
ビューティフルか、笑わせるよ(*_*)
昼休みになり、カップラーメンを食堂で食べてると栗原が近づいてきた。
「山笠さん、まだ見つからないって、アハハハ」
コイツ、沢尻の仲間なのか?
スマホを奪われたので連絡手段がない。
栗原が伝書鳩の役割を果たしてるってわけか?
「沢尻は今どこにいるんだ?」
「鼻くそってウマイよな?」
「聞いたことに答えろよ」
「聞いたことに答えろよ」
「おちょくっているのか?」
「おちょくっているのか?」
刺し殺してやりたい。
仕事を終えて宇都宮に向かった。
機械の調子が悪いらしく、しばらくこっちで仕事をすることになる。
駅についたのは夜の7時近かった。
本屋で立ち読みした。
大河ドラマの井伊直虎が面白いらしい。
戦国時代はちょっと厭きたよな?
駅ナカにある餃子屋で夕食を取った。
紫蘇ギョーザがスゴく美味かった。
久々に飲んだ生ビールがたまらねー(^.^)
隣に座ってる教育ママっぽい女が、チラリとこちらを見た。キツネを思わせる眼鏡を掛けている。
「あの、何か?」
「あらま、芹沢ちゃんじゃな~い?」
「どちら様ですか?」
「アタシよ、真山」
どことなく迷進塾の講師に似ている。
小学校の頃は煙突やアヒルばっかりだったので、塾に通っていた。
円周率って4.13だよな?
「鶏が首を絞められたわ」
真山がわけの分からないことを言った。
鶏………………鶏!?丹羽さん!?
丹羽宗太郎はフェニックスの営業マンだ。
どことなく役所広司に似ている。
彼は15番目に登録したはずだ。
『真面目にやっていればいいことあるからさ?』
丹羽さんの横顔が蘇る。
クソッ!沢尻の野郎!やっぱり奴の仕業だ!
「鶏はどこにいるんだ!?」
「人に聞いてばかりいたら成長ホルモン出ないわよ?」
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