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園部駅をすぐ降りたところに小さな居酒屋があった。
少しさびれているが、その店の味は最高においしかった。
僕はこの園部の会社に転勤になってからは毎晩のようにこの店「田舎」に飲みに来ていた。
そこの女将さんは気さくな方でとても素敵な女性だった。
僕にとってはまるで母親のような感じの人だった。
ある時、女将さんに聞いてみた。
「おかみさん何でこんな田舎にお店を出しているの。この土地の人なの」女将さんは、優し気に微笑みながらいう。
「私は、この土地に生まれて育ったの。この土地から出たことが無いから、ここでずっと住んでいるのよ」
「でもここから出てみたいと思ったことはないの」僕は、女将さんにとても興味を持ってしまいさらに聞いてみた。
「私はこの土地が好きなんよ。なんもない所だけど、この土地で生まれて育ってよそに行く気にはなれんわ。都会は怖いからね。私には合わんのよ」と言うと笑っている。
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