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それを見て女将さんは笑いながらいう。
「そんな大きなため息ついちゃ幸せが逃げちまうよ」僕は女将さんに自分の母親の面影を重ねて見ていた。
自分の母親にとても似ていたからだ。
こうして僕は転勤してから約2年間女将さんに癒されていた。
園部での会社への貢献が良かったと言う事で、本社に戻ることになった。
僕は最後の夜「田舎」に来ていた。
そして日本酒を熱燗で頼むと女将さんの家庭の味のする総菜を食べながらちびちびと飲んでいた。
そして女将さんをじっと見つめて話しはじめた。
「女将さんこの2年間本当にありがとう。僕、明日本社に帰ることになったんだ。女将さんのおかげで栄養失調にならずに済んだよ」と言うと僕は笑った。
女将さんはそんな僕を見てクスッと笑うと「そっかそれは寂しくなるね。と言うかおめでとう。帰っても頑張ってね」と言うと静かに微笑んでいた。
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