哀れみは悲劇を生む

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 「…………………………」  ヤツは長考に入った。あくしろよ、昼休終わるだろ。  正直、俺は余裕だった、綽々だった。  だから、全く予想も注意もしていなかった。  まさか、第三者が乱入するなんて。  「おっ、チョコあんじゃん。貰うぜー。」  「……はっ?おい、ちょまっ。」  横からにゅっと伸びてきた手がチョコをかっさらい、そしてそのまま銀紙を破き口へと放り込んだ。  呆然とする俺とヤツ。  気付かず美味そうにチョコを噛み砕く男。  …………………  「「馬鹿ヤローーーー!!!!!!!」」  こうして俺達のバレンタインは終わった。  ちなみに、何とか手を捻り出したヤツを俺は三手で詰ませたのだった。
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