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ー☆ー☆ー☆ー
「お前はやる気あんのか?」
「ないです。」
バシッ
「いてっ」
「即答するな、アホ。」
「………。だって、無意味じゃない?授業もテストも。」
「………はぁ。お前がそんなんだから、生徒たちから落ちこぼれだの、落ちた天才だの言われんだよ」
「あ、私そんな風に言われてるんだ。まぁいいんじゃない?言わせとけば……ってイタッ!ちょっと、何回叩くのさっ!」
「才能があるのに使わないなんて、バカじゃないのか?」
「才能なんてない。」
「ある。」
「ないっ」
「ある!頑固だな、あいかわらず!」
「はぁ」
まだ知り合って一年程度しか経ってないのに、
何を言ってるんだか。
それにアンタも似たようなもんだろ……。
「………もう帰っていいですか?」
「いい訳ねぇだろ。」
「じゃあ、何ですか。」
「………お前、最近定期的にどこに行ってるんだ?」
「どこって…。言っている意味がわかんないんだけど」
「とぼけんな。こっちは何度も目撃情報入ってんだ」
「なにが、目撃情報だよ…。別にどこでもいいんじゃない?」
「良くねぇから、聞いてんだよ。いいから、さっさと答えろ」
「………はぁ…定期検診。病院通い。今日もこれから行かなきゃなんで、失礼します」
「あっ、おいっ」
私は静止を振り切って、職員室を出た。
確かに定期的にあそこへ通っているのは、本当だ。
けど、加藤や他のやつに教えてやる義理まではない。
第一、誰にもこのことを話さないってのが梶さんとの約束だし。
………ちょっと、話しちゃった気もするけど…
このくらいなら大丈夫でしょ。
梶さんは私の恩人だから。
これからも、今までのように続けていく。
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