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梶は、私をソファに座らせると簡易的なキッチンへ向かった。
いつも通り。
「コーヒーでいいかな?」
「うん」
カチャカチャ……
コーヒーを準備する音だけが聞こえる。
入ってすぐの小さなこの部屋には、客間(それにしては散らかりすぎだけど)として使っていて入室を許可された者だけが奥にいける。
今は2人きりだけど、奥にいったら、
たぶん研究員の人達が待ってる。
私の検査のために。
「はい、どうぞ。」
「ありがとう。」
「……顔色が良くないけど、何かあった?」
「………またあの夢を見た。しかも授業中に。」
「そうか……。授業中…だと、今までなかったよね。どうしたんだろう。昨日の夜はきちんと、寝れた?」
コーヒーに口をつけながら、うなづく。
4時間くらいしか寝れてないけど、それはいつものことだし。
梶さんもそれは知ってる。
「うん……。そうだね、一応そのことも含めて今日検査してみよう。」
「うん、ありがとう。」
「あの夢を見ると高確率で、魔力の波長が乱れる。寮にいる間は少なくとも同じ部屋には誰もいないが、教室となるとあの時のことがフラッシュバック、ってこともあるからね。早めに解決しよう。」
こくん
もう一度うなづく。
…………あの時のことが……教室で…?
だめだ……そんなことあっちゃ。
…………絶対に。
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