エピソード1

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梶は、私をソファに座らせると簡易的なキッチンへ向かった。 いつも通り。 「コーヒーでいいかな?」 「うん」 カチャカチャ…… コーヒーを準備する音だけが聞こえる。 入ってすぐの小さなこの部屋には、客間(それにしては散らかりすぎだけど)として使っていて入室を許可された者だけが奥にいける。 今は2人きりだけど、奥にいったら、 たぶん研究員の人達が待ってる。 私の検査のために。 「はい、どうぞ。」 「ありがとう。」 「……顔色が良くないけど、何かあった?」 「………またあの夢を見た。しかも授業中に。」 「そうか……。授業中…だと、今までなかったよね。どうしたんだろう。昨日の夜はきちんと、寝れた?」 コーヒーに口をつけながら、うなづく。 4時間くらいしか寝れてないけど、それはいつものことだし。 梶さんもそれは知ってる。 「うん……。そうだね、一応そのことも含めて今日検査してみよう。」 「うん、ありがとう。」 「あの夢を見ると高確率で、魔力の波長が乱れる。寮にいる間は少なくとも同じ部屋には誰もいないが、教室となるとあの時のことがフラッシュバック、ってこともあるからね。早めに解決しよう。」 こくん もう一度うなづく。 …………あの時のことが……教室で…? だめだ……そんなことあっちゃ。 …………絶対に。
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