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春がすぎ、桜の花を散らせて木々が緑をつけ始めた頃……。
ノルティ第一魔法学園。
幼稚部か大学部まである大きな魔法学園。
学年数え方が少し特殊で、
幼稚部1~3年、初等部4~9年、中等部10~12年で
高等部が続けて13~15年、大学部もさらに続けて16~19年生まである。
そしてその学園の14年D組。
窓際、一番前の席で授業中にも関わらず、
熟睡している少女がいた。
そこに近づく男が1人。
彼女はいつも、指定の制服の中に紫色のパーカーを着込み、
フードで顔を隠していた。
彼女自身、顔を見られたくない………わけではない。
だから、パーカーを着ている意味も、
フードをかぶっている意味も、特にない。
ただし……人と関わるのが嫌い、
という意味では、それは役に立っていた。
もともと口下手で人と話すのも得意ではないし、
それに……自分の周りに必要以上の人間はいらない。
………危険すぎるから。
…………またあの時のような事は、あってはならないのだから…。
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