エピソード1

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「おねぇちゃんっ!」 私のことはいいから。早く………安全なところに……行って…… やっとの思いで向けた視線は、地獄絵図を映した。 「おねぇっ……うわぁっ!来るなっ!バケモノっ!!来るなぁっ!」 昴っ!昴っ!!やめて!弟はっ!弟だけはっ! アンデッドたちが弟に群がっていく。 やめて!やめろ! ドクンッ その時私の中の何かが脈を打った。 自分からまばゆい光が放たれ、 気づけば弟の近くにいたアンデッドは残らず消えていた。 一瞬自分でも、理解出来なかった。 けれど、その光景を見てほんのわずかに安心した。 束の間の安堵。 私は体から溢れ出んばかりの魔力を感じた。 そしてよぎったのは、安心ではなく不安。 勝機ではなく恐怖。 まずい。 そう思った時には、叫んでいた。 自分の声だとは思えない、悲痛めいた叫びが。 「おねぇちゃんっっ!!!」 「来ないでっ!!!昂っ!!………うっ…ッ」 「………ッ?!……おねぇちゃんっっ?!!」 「……う、うわぁぁあああっっ!!!!!」 再び、まばゆい光が2人を包んだ。
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