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「この度、皆に集まってもらった理由は、とある者を捕まえられる者を見つけるためだ。」
「とある者…それってどんな…」―バタッ…―
…それは唐突だった。
白い姿をした冒険者から、とてつもない殺気か覇気かわからないものが発されていた。
僕の防御魔術はそんな物ですらはじいていたので、きにすることもなく解除できていたのだが…。
「うわっ!どうしたんだよ…」―ドサッ―
依頼主の言葉に、戸惑いを隠せない冒険者たちが、次々と倒れていった。
それも眠るように。
「これはどういうことだよ…!依頼者さんよ!」
グラントが怒りに任せて叫び散らした。
ただ、その一言から、グラントが喋る事が出来なくなった。
それは、直接的に黙らされたとかという理由じゃない。
白いローブの男の殺気というか覇気というか…それが急激に増えたからだ。
「グッ…まさか、殺気で皆倒れてんのかよ…。」
「…中々の殺気ですね。私も集中していないと…まずいくらいです。」
珍しくヴェルすらも動じてしまうほどの殺気だった。
いつの間にかエリサも意識を失っていたようだ。
ちなみに、スパイスの入った瓶は僕の道具袋の中に入ってる。皇居に入る前にこっそりエリサから回収していたのだ。
もしも見つかってしまって、処分されるようなことがないとは言えなかったからだ。
「ほう…ここまで残りましたかな。」
「5人とはなかなかですね。」
…もしかしたら、僕はまたやってしまったのかもしれない。
今になっては後悔しかないけど、今更しょうがないと思って、むしろ堂々とすると決めた瞬間だった。
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