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佐和は目を見開き必死で体を暴れさせたが、桂に後頭部をガッシリ掴まれ、動きを封じられた。
「んっ! んんんん!」
それどころか激しく口づけられ、頭を動かせないので口をずらすこともできず、呼吸すらままならなくなった。
口内をねっとりと舐る舌と、酸欠のせいで頭がボーっとしてくる。
「……んむぅ……はぁっ!」
呼吸が止まりそうになった時、やっと唇が離れて一気に空気が流れ込んできた。
ツーっと引いた糸がいやらしくて、佐和は酸欠のせいだけでない眩暈を覚えた。
(こ、これは……)
ヤバい。
そう思ったのに体が動かない。
切れ長の目で見つめられ、動けなかった。
「思った通り、佐和先生は快感に弱いんですね」
「……へ?」
「だってキスしただけで……ほら」
ニヤニヤと笑う桂の腰が、佐和の腰に擦りつけられた。
佐和は真っ赤になった。
(どうして?!)
自分でも信じられないほど、下半身が反応していた。
(キスで立つって……)
ラグビー部の童貞たちを笑えない。
しかも佐和は、三十を目前にした二十八歳のいい大人だ。
いい年をして、キスぐらいでこんなに反応したことと、その相手が同僚の男性教師だということが、またさらに恥ずかしい。
「お若いですねぇ」
いやらしく笑われ、佐和はたまらなくなった。
「ふ、ふざけんなよ……」
強がる言葉が、情けなく震える。
桂の切れ長の目が、いつもより熱く感じる。
熱っぽく見つめられ、いやらしく笑われ、羞恥に震えた。
それがすぐに――快感になる。
「こっちが気持ちイイのは、もう知ってますもんね」
「や、やめっ……」
細くてきれいな桂の指が、佐和の膨らんだ股間を擦った。それだけで、佐和はブルッと震え上がった。
「やっぱり……後ろの方が気になりますよねぇ?」
「バカッ! やめろ!」
前を擦る手がそのまま股の間を潜って――後ろを撫でた。
「っはぁ!」
そして戻ってきて、また前を撫で上げられた。
「やめぇ……ふっ……」
スーツのズボンの中で苦しいほど立ち上がった幹を、そのいやらしい形に沿って華奢な指が擦る。
裏筋を中指で擦られたと思ったら、全体をギュッと握られ、ビクッと震えた。
「前だけで、今にもイッちゃいそうですね」
耳元でいやらしく囁かれ、本当にそれだけで達してしまいそうになった。
唇を噛み締め、その危険な波を耐える。
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