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「何だよ?俺はテレビを観てただけで君の事を悪く見たわけじゃないよ」
「知らない、もう知らない!」
とテーブルに突っ伏して小一時間くらい泣きわめいた。
そんな日が月に何度か起こり、
その度に俺は拒否されてもずっと彼女の肩をさすり続けるしかなかった。
それからほどなくしてまたさらに異変が起きる。
俺が真夜中にアパートに帰ってくるといつもこの時間、
順子は寝ているはずなのだが台所のすりガラスの小窓から照明が垣間見えた。
嫌な予感がした。
こういう時に限って家鍵を職場のロッカーに忘れてきてしまった。
何度もインターホンを鳴らしてみるが1分待っても何の音沙汰もない。
いつもならこういう時でも悪態をつきながら起きて出迎えてくれる彼女の姿を今回はイメージできない。
悪寒とともにドクドクと俺の心拍数が上がって来た。
家鍵を取りに職場へ戻ろうかとも考えたが往復で裕に小一時間はかかる。
「もう待たねえ!」
俺は待てずに小窓を割って自宅に飛び入った。
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