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眼鏡のブリッジを押し上げながら宮根屋は言う。
「そ、そそそそそ!」
それから高満はそそそそ!を繰り返して言った。
「そんなことはないぞ」
「そうね。きもっ、きもっ」
宮根屋は千春の肩を抱いて、こう言った。
「僕たちは自転車で行くよ。君は自動車で帰れば?」
「そんな、酷い! く……僕に自転車さえあれば」
「ありますよ?」
後ろから、白髪まじりの男性が訪れて行った。
この人が高満の言う『僕ん家の従業員』だとわかった。
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