学童保育と妹たち

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「行くぞー」  宮根屋と千春が自転車をこぎだしたとき、 「待ってくれー」  と補助輪付き自転車をごろごろと漕ぎ出す斉藤高満@自転車に乗れない子。 「がんばって、がんばって」  宮根屋は後ろに付き添って、励ましている。 「君の恭子ちゃんが待ってるよ。自転車に乗れるお兄ちゃん、すごーいって思うはず」  乗せるの何気にうまいよね……と千春は考えた。 「僕の恭子が……?」 「そう、君の恭子ちゃんが待ってる」  おにいちゃーん。  あはは、お兄ちゃん、こっちだよー。  などと、いう幻想を見たかどうかは知らないが。 「僕は自転車を漕ぐぞおおお!」  と言って、大きく漕ぎ出したのだった。
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