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学童保育では、女性の保育員が「小梅ちゃん、恭子ちゃん、お迎えよー」と言ってくれた。
「小梅いますか」
「恭子いますか」
「僕のプリティプリンセス恭子いますか」
「おおっと蛾が」
「痛い!」
宮根屋が高満に平手を張った。
「痛いじゃないか。確かに危ない発言だったけれど」
「だから、ほんとに蛾」
「あ、ほんとだ」
と宮根屋と手を見つめる高満。
(この人たち仲いいよね)
千春は心の中でため息をついた。
「お兄ちゃん」
「おねーちゃん」
と言って、女児らがわらわらとまとわりついた。二月もはじめ、寒い季節なので、宮根屋の足にまとわりついている。
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