金のスニーカー銀のスニーカー

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「俺が落としたのは、ただの白いスニーカーだ。」 「じゃあ、これをやる。」 自称神様は自分の履いていたスニーカーを脱いで、両足揃えて俺に差し出した。 「あ、いや、いらない。」 「遠慮すんな。」 びしょびしょに濡れた、異臭漂うスニーカーを無理やり押し付けられた。 「じゃあな。」 そう言うと自称神様は、池にずぶずぶと潜っていった。 はっ? そんなんあり? ほんとに神様だったん? 一つだけ分かった事。 だから全身ずぶ濡れだったのね。 俺は手に持ったスニーカーを見詰め、 「いらね。」 再び放り投げた。
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