4 「じしん」にグラリ

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だから、作業台を兼ねたテーブルを間に、 私は、野菜チップスを指先に摘まんだままポカンと聞き返す。 しかし福澤は、今まで見たことがないような 真剣で、少し苦々しささえも浮かべた目を真っ直ぐに向けてきた。 「もしもね、豊田さんが一人で自主トレをして思い付いた案だったなら、 それは素晴らしいし、本当に偉いと思う。 でも、これって、その先輩のアイデアだよね?」 そう尋ねられ、私は、頷いたものか、首を振るべきか少し迷った。 確かに、ガーリック風味の中骨せんべいも野菜チップスも 作り方を教えてくれたのは先輩だ。 だが、中骨の利用も、レンコンからチップスをお通しにすることも 思い付いたのは、私自身。 だから、今回の企画は、むしろ二人で考え付いたアイデアではなかろうか。 しかし、そんな事を迷っている内に、 目の前の福澤は、わずかに視線を落として続けた。
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