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そして残ったのは、なんとも言えない空しさ。
それと同時に、なんだか急に気持ちが落ち込んでくる。
結局わたしは、誰かに頼らないと一人前になれないってことかな。
私は、向かいで試食に戻った福澤に気付かれぬよう、小さく溜息を零した。
そしてこの日、私は、朝とは真逆の気持ちを抱えて
家路につくことになったのだった。
確かに、福澤からの指摘は正しいとは思った。
だが、素直にそれを受け入れきれないのは、
あの企画の一部は、私自身が思い付いたという事実があるため。
お陰で時が経つほどに、悔しいのか、空しいのか、
複雑に感情が、こんがらがっていく。
だからそれからの二日間は、再び仕事に集中できなかった。
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